コロナ後遺症外来

コロナ後遺症外来

コロナウイルス感染症はいまや誰でもかかる可能性のある病気です。感染時の症状の有無や重さに関わらず、3-4割の方が持続性の咳や息苦しさ、疲れやすさ、集中力の低下、味覚・嗅覚障害、局所疼痛、しびれ、脱毛、不安感等といった後遺症を感じるといわれております。仕事をすることはできるけど疲れやすいという方から、日常生活すら困難となる方もおります。当院ではコロナ後遺症外来を設置し、後遺症やコロナワクチン接種に伴うさまざまな身体症状、神経症状に悩む患者さまの治療を行っています。

当院におけるコロナ後遺症の治療対象となる方

  1. 12歳以上
  2. 何らかの後遺症が残存していること

コロナの後遺症でよくある症状

コロナ後遺症の検査方法

新型コロナウイルスに関してはまだまだ不明なことが多く、後遺症の治療方法は確立されていません。一般的な症状は時間の経過とともに解消していくこともありますが、完治までの期間はさまざまであり、症状のある方はとても心配になると思われます。当院では、初診時に症状を全面的に把握する為、問診票にコロナにかかった時期、かかった時の症状、療養期間中で改善した症状、今でも残っている症状、現在一番苦しくて解決したい症状などの記入をお願いしております。実際の診察におきましても経過や仕事内容(差支えない範囲で)、受診時の内服薬、既往歴などを聞かせて頂きます。

コロナ後遺症の検査

  • 後遺症によく似た症状の疾患もあるために、
  • 治療可能な他の疾患を見逃さないために、
  • コロナによる臓器障害を検出するために、
  • 治療の副作用のチェックのために、

検査はとても重要で、当院では一般的な内臓疾患はもちろん、新型コロナウイルスに感染した際に影響を受けやすいとされている項目(自己免疫性疾患、甲状腺ホルモン、亜鉛、間質性肺炎マーカー、凝固異常マーカーなど)もピックアップして、なるべく網羅できるように採血を行っております。また症状からの必要性に応じて画像生理検査(レントゲン、心電図、CT、MRI)も行っております。

後遺症の治療と管理方法

新型コロナウイルスに感染すると体内でさまざまな炎症反応を受け、持続的な症状を発症することが知られています。コロナ後遺症については解明されていないことが多く、根本的な治療方法はまだ見つかっていません。人によって症状の種類や程度は異なりますが、間質性肺炎(器質化肺炎・肺線維症)、睡眠時無呼吸症候群、胃食道逆流症、脳梗塞・心筋梗塞、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群などの臓器障害・病態をきたすことが知られています。また、コロナ後遺症と思っていたら、実はコロナの後に他の病気を発症したという可能性もあります。さらには症状の原因として精神・心理的要因が大きな割合を占めることもあります。そのため、後遺症の治療には体のつらさへの対応のみならず、精神面のケア、職場復帰への支援といったさまざまなサポートが必要となります。
当院では、症状に合わせた漢方薬・内服薬を処方して治療を行います。そして、症状を緩和させる対症療法あるいは補助的治療に加えて、精神心理的アプローチ(共感や励ましなど)を行います。

コロナ後遺症治療で大事なポイント:

  • 血液検査、画像検査を行い、器質的疾患を除外すること。
  • 今の体に少しでも負担または無理を感じることをなるべくしないで、しっかり体を休ませること(非常に大切です)
  • 近くの通いやすい耳鼻咽喉科にてEAT治療 (上咽頭擦過療法・Bスポット療法)を受けること(当院では行っておりません)。鼻うがい、ミサトールリノローションを積極的に行うこと。
  • 症状に合わせて処方された薬をしっかり飲むこと。特に漢方薬は1-2週間内服してもあまり効果を感じないことが多く、少なくても1ヶ月間飲む続けることが大切です。
  • 心身ともに疲れてしまいかなりつらいかもしれませんが、気分が沈むのを避けてなるべく前向きな気持ちを作ること。(家族、親友と積極的にコミュニケーションを取る)
  • 倦怠感がある場合、体力が落ちないようにと焦ってジムに通うといった運動強度の高い行動は逆効果になることもある為、無理のない程度の軽い運動にとどめて活動と休息のバランスが取れるように活動量の調節をすること。
  • 日常生活を送る中で「クラッシュ」と呼ばれる「動けなくなるほどの疲労」を感じる場合があるため、できるだけそれを回避できるように無理をしないようにすること。
  • バランスよく食べると同時に、アミノ酸,プロテイン、BCAA、亜鉛などサプリを適宜摂取して、免疫力を整えること。
  • 鍼灸・温灸、高圧酸素療法、呼吸リハビリ等非薬物療法も効果があることがあります。

傷病手当の申請につきまして

傷病手当は病気などで働けなくなった際に、仕事を休んでいる間の経済的保障をおこなう健康保険法に基づいた制度です。休んでいる間、保険者から給与の一部が支払われます。
傷病手当金を申請する前に、それとは別の「診断書」を職場へ持ってくるよう言われるケースがあるので、まずは職場と主治医へ傷病手当金の申請を考えていることを伝えましょう。
傷病手当金の書類には、主治医が記載する欄があります。「いつからいつまで」は主治医が決めるものではないので、職場と相談し申請する期間を決定した上で書類を医療機関へご持参ください。
傷病手当金の申請書(請求書)は、料金が発生します(保険適用で300円ほどです)
受診がない月の傷病手当金の申請書は作成できませんので、月に1回以上の受診をおすすめします。

注意事項

コロナ後遺症の診療は、一般の保険診療と同様に診療費などの自己負担が発生します。
コロナ後遺症外来を受診した際、症例をプライバシーに配慮した形でまとめさせて頂く事があります。多くの医療機関で後遺症外来を実施するため、ご理解頂けますと幸いです。

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