アレルギー性鼻炎について
アレルゲンを吸入することで、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどの症状が現れます。アレルゲンとは、アレルギー症状を引き起こす原因となる物質を言い、スギやヒノキの花粉のほか、ホコリやダニなどのハウスダスト、ペットのフケなどです。日本人に多い花粉症もアレルギー性鼻炎のひとつです。スギやヒノキによる春の花粉症だけではなく、初夏のイネ科や秋のブタクサ、ヨモギによる花粉症などがあります。
アレルギー性皮膚炎・じんましん
アレルギーに感作されることにより皮膚が過剰な反応をきたし、赤く腫れたり、かゆみが出てくることがあります。症状が出る場所や、度合いに合わせて塗り薬や飲み薬などの治療を行います。
じんましんは、アレルギーやストレスなどが原因で皮膚に突然赤い膨らみやかゆみが現れる症状です。通常は数時間〜1日で消えますが、慢性化することもあり、抗ヒスタミン薬などで治療します。
アレルギー性結膜炎
花粉やハウスダストなどのアレルゲンが目の粘膜に触れて炎症を起こし、かゆみ・充血・涙目などの症状が出る病気です。目のかゆみや充血が強まり、まぶたの腫れや目やにが増えることがあります。重症の場合は、角膜が傷ついて視力低下を引き起こすこともあるため、早めの治療が大切です。抗アレルギー薬の点眼や、アレルゲンを避ける対策で症状を和らげることができます。
検査
アレルギー性鼻炎の原因となるアレルゲンは、採血検査で調べることが可能です。原因となるアレルゲンを避けた生活をすることでつらい症状を緩和させることができます。当院では、血液中のIgEと呼ばれるたんぱく質濃度を測ることでアレルゲンを図るIgE RAST検査(最大で13種類まで)と39項目のアレルゲンの検査ができるViewアレルギー検査を行っています。 アレルギー性皮膚炎や食物アレルギーの原因検索に対しても大変有用です。
当院ではView39に加えて、遅延型フードアレルギー検査(IgG検査)も行っております。
薬物治療
内服薬
患者さんの症状に応じて、くしゃみや鼻汁、痒みに効果がある薬や鼻閉に効果がある薬などを組み合わせて治療を行います。花粉症の場合は、花粉の飛散が始まる1カ月ほど前から飲み始める初期療法という方法があります。症状が出る前に薬物治療を行うことで、症状が出てから飲み始めるのに比べて、軽い症状で済みます。中には、眠気の少ない薬もあるので、受験生などへ考慮された治療が可能です。
目薬(点眼薬)
結膜炎症状に対して、抗アレルギー作用のある目薬を1日数回点眼します。目のかゆみに対しては、直接目薬を使う方が有効と言われております。また、液体が苦手な方にはまぶたに塗ることで目の症状を抑えるクリームが登場しております。
鼻スプレー(点鼻薬)
花粉症などのアレルギー性鼻炎の症状が重い人、鼻づまりが酷い人に効果が強く、副作用が少ない局所スプレーを用います。内服薬に加えて併用していきます。
塗り薬
塗り薬には、炎症を抑えるステロイド外用薬や、かゆみを和らげる非ステロイド系の保湿剤があります。症状の重さに応じて使い分け、適切な塗り方を守ることが大切です。
舌下免疫療法
舌下免疫療法は、アレルゲンを舌の下で少量ずつ摂取し、免疫を徐々に慣れさせる治療法です。抗アレルギー薬と異なり、アレルギーを根本的になくすことを目指す治療です。スギとハウスダスト(ダニ)のアレルギーに対する薬があります。継続が必要ですが、生涯にわたってアレルギーに悩まなくてよくなることが期待できます。